余命1年の親友に、俺の嫁を嫁がせて新婚生活させた完

前回の話

日奈子と拓也の夫婦生活は、本当にナチュラルなものになってしまった。そして俺自身も、居候というか、ただの同居している友人という感覚になっていた。

『あ、おはよ〜。コーヒー? 紅茶?』
と、日奈子が寝起きの俺に聞いてくる。俺は、少し寝不足気味でまだボーッとしているが、コーヒーをお願いした。俺が寝不足なのは、毎夜繰り返される日奈子と拓也の夜の生活のせいだ。安普請の家なので、隣の部屋でセックスをする声や音が丸聞こえだ。そして、それだけではなく、昼間の二人の様子も隠しカメラで撮影しているので、それを見て深夜まで起きていることがほとんどだ。

笑顔でコーヒーを運んでくれる日奈子。でも、昨日の夜も拓也と激しくセックスをしていた。その笑顔からは、とてもそんなことは想像できない。本当は、俺の嫁……。でも、今は完璧に……完璧すぎるほど完璧に拓也の嫁を演じている。

「寝癖、凄いぞ」
拓也が笑いながら話しかけてくる。俺の寝癖がよほど凄いらしい。そして、拓也は珍しくスーツを着ていた。
「あれ? スーツ?」
「あぁ、ちょっと会社に手続きがあってな。昨日も言っただろ?」
にこやかに言ってくる拓也。
「そうだっけ。日奈子ちゃんは? 一緒?」
俺は、日奈子のことをこんな風に呼ぶようになってしまっていた……。
『さすがに無理。妻同伴で出勤なんて、聞いたことないでしょ?』
笑いながら言う日奈子。となると、今日休みの俺と二人きりということになる。同居を始めて以来、初めてのことだ。俺は、なぜかドキドキして緊張してしまった。

「早めに帰ってくるから、またボーリングでも行こうか?」
拓也は楽しそうに話を続ける。
「お、良いね。また叩きのめしてやるよ」
俺は、そんな風に強がってみた。
「今度は負けないよ」
拓也は、真顔で言う。

『あらら。私を巡って男達が争うのね。美しいって罪だわ』
日奈子がおどけて言う。最近では、3人での生活がすっかり普通になってしまった。でも、少しずつ痩せていく拓也を見ていると、急に胸がいっぱいになって泣きそうになる時がある。これだけ医学が進歩しているのに、こんなにも元気そうに見えるのに、1年も生きられない……。どうしても、現実として受け止めることが出来ない。


そんな風に、拓也の運命に同情しているが、拓也は最初の頃のような遠慮がなくなってきていた。この前なんかは、日奈子はこんなひどい扱いを受けていた。俺が隠し撮り動画を確認していると、早送り中にソファに座ってコーヒーを飲む拓也が映る。慌てて早送りを止める。すると、日奈子が拓也の横に座った。でも、ただ座っただけではない。日奈子は、すでに全裸だった。

明るい昼間のリビングで、日奈子が一糸まとわぬ格好でソファに座っている。ほどよい大きさの胸も、薄ピンク色の乳輪も乳首も丸見えだ。
『ねぇ、ベッド行こうよぉ』
甘えた声で誘う日奈子。
「昨日いっぱいしたじゃん。ちょっと疲れちゃったよ」
拓也がそんなことを言う。あんなに日奈子とのセックスに感激していたくせに、もうこんな態度を取るようになっていた。でも、確かに日奈子のセックスのお誘いは、多すぎる気がする。拓也が死んでしまうと言う事実が、日奈子を駆り立てているのかもしれない。

『イジワル。いいよ、勝手にするから!』
日奈子は少しすねたように言うと、座っている拓也のズボンを降ろし始める。そして、ペニスを剥き出しにした。拓也のペニスは、まだ半立ち程度だ。
『私が裸なのに、立ってない! もう飽きちゃったの?』
寂しそうに言う日奈子。
「ち、違うって! 昨日4回も出せば、立ちも悪くなるって!」
慌てて言い訳をする拓也。でも、連日複数回搾り取られれば、そうなるのも無理はないと思う。

『大きくするね……』
日奈子は、納得できないという顔で、フェラチオを始めた。いつものリビングの、いつものソファの上。でも、日奈子がフェラチオしている相手は、俺ではない……。

日奈子は、慣れた様子で拓也のペニスを口撃していく。すると、すぐにムクムクと大きくなる拓也のペニス。やっぱり、こうやって明るいところで見ると、その大きさに驚き、嫉妬してしまう。
「あぁ、日奈子、気持ちいいよ」
拓也はそんな声を上げながらも、テレビを見ている感じだ。ちょっとひどいなと思うが、セックスの頻度を考えると仕方ないのかな? とも思う。

日奈子は、夢中でフェラチオを続ける。睾丸の方まで舐めたり、喉奥まで飲み込んだりして、むせながら責めたりする。そして、拓也の脚を持ち上げ気味にして、アナルまで舐め始める日奈子。こんな事は、俺でもしてもらったことがない。日奈子は、なんの躊躇もなく拓也のアナルを舐めていく。最近では、当たり前のようにするようになっていた。
「気持いいよ。日奈子、もっと」
拓也は、さすがにテレビを見るのを止めて言う。
『もう、入れていい?』
日奈子は、うわずった声と、トロンとした目で聞く。
「もう少し口でして」
拓也は、そんな注文をつけた。すると、日奈子は素直にフェラチオを続けた。拓也は、日奈子の髪を優しく撫でている。でも、そこまで興奮してはいないようで、日奈子に入れようとしない。

そのまま、結構な時間、日奈子のフェラチオが続く。すると、
「日奈子、イキそう、早く早く!」
と、拓也が慌てて日奈子に言う。すると、日奈子はうんと言って、慌てて拓也にまたがった。そして、対面座位で繋がると、日奈子はすぐに腰を上下に動かす。でも、2〜3回動かした途端、
「イクっ! 日奈子、イクっ!」
と、拓也がうめいて射精した。日奈子は、嬉しそうに拓也にキスをする。そのまま、濃厚なキスを続ける。
日奈子は、射精する瞬間にやっと入れてもらえた。まるで、中出しを受けるためだけのセックスだ。オナホ扱いですらないような、ひどい扱いだと思う。でも、日奈子は嬉しそうにキスをしている。

しばらくして日奈子は立ち上がる。そして、拓也の目の前で脚を軽く広げる。すると、日奈子のあそこから拓也の精液があふれ出す。それは、そのまま床に液だまりを作っていく。
『いっぱい出たね。赤ちゃん出来るかなぁ?』
と、嬉しそうに拓也に話しかける日奈子。
「排卵日だっけ?」
『そうだよ。だから、今日はこの後、最低3回は注いでね♡』
と、日奈子は笑顔で言った。拓也も笑いながら、
「わかったよ」
と答えたが、微妙に笑顔が引きつっているように見えた。


こんな風に、日々セックスをしっぱなしの二人……。でも、今は本当に久しぶりに二人きりだ。拓也が出ていく時、当たり前のようにキスをした二人。
『早く帰ってきてね♡』
「わかったよ。日奈子、愛してる」
『ふふ。私も〜』
そう言って、またキスをした二人。久しぶりに離ればなれになるので、寂しいと思っている様子だ。

そして、二人きりになった俺と日奈子。妙に緊張してしまう。
『なんか、変な感じだね……』
日奈子も、少し緊張気味だ。
「そうだね。日奈子、ちゃん……。辛いことはない?」
『いいよ。二人きりのときは呼び捨てで……。ゴメンね。悠斗も辛いよね……』
日奈子は、申し訳なさそうだ。
「うぅん。あいつに悔いなく過ごしてもらいたいし、俺が言いだした事じゃん」
俺は、やせ我慢して笑いながら言う。
『ありがとう……。ねぇ、してあげる……』
日奈子はそう言うと、俺のズボンの上からペニスをさすり始めた。
「い、いや、ダメだって、拓也に悪いし」
思わずそう言った俺に、日奈子が吹き出した。
『悠斗、役に入り込みすぎだよ! 私、悠斗の奥さんなんだよ。あ、愛してるんだから……』
日奈子は、照れて顔を真っ赤にしながら言った。俺は、嬉しさと安堵感で腰が抜けそうだった。日奈子は、すでに心もすべて拓也に捧げてしまっている……。そう思っていた。

俺が、少し言葉に詰まりながらありがとうと言うと、日奈子は俺のズボンのファスナーを降ろした。そして、すでにギンギンになっている俺のものを掴むと、
『元気だね。凄く久しぶりな感じ』
と言って、しごき始めてくれた。久しぶりの日奈子の手の感触に、気持ち良すぎて声が漏れてしまう。
『気持いい? ゴメンね、してあげられなくて』
と、申し訳なさそうに言う日奈子。そのまま、手コキをしてくれる。俺は、すぐにイキそうな気配がしてきたが、なんとか堪えて日奈子の手の感触を楽しんでいた。
でも、頭の中には、拓也とセックスする日奈子が浮かんでくる。拓也の大きなペニスで、俺とする以上に乱れる日奈子……。それを思い出すと、あっけなくイッてしまいそうになる。

『悠斗、もっと気持ち良くなって……』
日奈子は泣きそうな顔で言うと、俺のペニスをくわえてくれた。すぐに舌が絡みついてきて、あまりに気持ち良くてうめいた。日奈子は、明らかにフェラチオの仕方が変わっていた。上手になったというか、滑らかな感じになっていた。
舌がカリ首を舐め、唇が追い打ちをかけていく。もう、少しでも気を抜いたら射精してしまいそう……。

日奈子は、睾丸の方まで舐めてくる。でも、アナルまでは舐めてこない。俺は、一瞬舐めて欲しいと言いかけたが、隠し撮りしていることがバレてしまうと思い、言葉を飲み込んだ。
俺は、快感にあえぎながらも、拓也にはして、俺にはしてくれない……。そんなひがみの感情で胸が苦しくなっていた。

『イッちゃう? まだダメだよ……』
日奈子はそう言うと、ショートパンツを脱いでいく。ショーツも一緒に脱いだようで、下半身丸裸になった。そして、椅子に座る俺にまたがってくる。
「……いいの?」
俺は、また聞いてしまった。
『いいに決まってるよ。だって、夫婦だもん』
そう言って、日奈子は俺のものを一気に入れてしまった。久々の膣肉の感触に、俺は入れただけで少し精液を漏らしてしまった。同時に、生で中に出してしまって、平気かな? と、心配もした。でも、そんな心配を吹き飛ばすように、日奈子の唇が襲ってきた。

久しぶりにした日奈子とのキス。俺は、夢中で舌を絡めた。ギュゥっと締まる膣。日奈子も高ぶっている感じだ。

日奈子は、興奮しきった顔で、
『悠斗、愛してる。ギュッとして』
と、リクエストしてくる。俺は、日奈子のことをギュッと抱きしめた。すると、日奈子は嬉しそうに笑い、腰を振り始めた。

ここでも、俺はショックを受けてしまった。日奈子の腰の動きが、前と違ったからだ。もともと、騎乗位でする事はそれほどなかったが、しても単純に上下に動かす程度だった。それが今は、こすりつけるように腰を押しつけてくる。俺は、動画を思い出していた。動画の中で、日奈子はこの動きをしながら、
”奥が凄いのぉっ! こすれるっ! こすれるのぉっ! 腰、止らないよぉ!”
と、叫んでいた。拓也の大きなものが奥まで届き、そこに子宮口をこすりつけるようにしているのだと思う。俺とのセックスでは、奥に届くことがないのでそんな動きをしなかったのだと思う。

それに気がついた時、俺は嫉妬と敗北感で泣きそうになった。でも、なぜだかわからないが、爆発的に射精感が高まり、
「ひ、日奈子、イクっ、出るっ!」
と、うめいてしまった。
『えっ!? もう? い、いいよ、イッてっ!』
日奈子は、ビックリした顔で慌てて言う。そして俺は、日奈子の中にたっぷりと射精してしまった。
『ふふ。いっぱい出てるのわかるよ♡』
と、嬉しそうに言う日奈子。俺は、大丈夫かな? 妊娠しないかな? と、そんな心配をしてしまった。でも、すぐに、あれだけ拓也に中出しされているのだから、今さらか……。と、複雑な気持ちで思った。

『私のこと、嫌いになってない?』
繋がったまま、不安そうに日奈子が聞く。俺は、すぐにそんなことないと言った。
『良かった……。ねぇ、もう一回出来る?』
と、甘えた顔で日奈子が言う。でも、俺のものは急速に固さを失っていった。
「ゴ、ゴメン。ダメみたい……」
『ふふ。そっか。残念。じゃあ、久しぶりに、お昼でも食べに行かない?』
日奈子は、さっぱりした顔で言う。俺は、喜んで日奈子と昼食に出かけた。

お昼を食べながら、一時、昔に戻ったように楽しい時間を過ごした。そして、帰宅すると、拓也がもう帰っていた。拓也は、少し悲しそうな顔で、
「お帰り。どこ行ってたの?」
と、聞いてきた。
『早かったね! 今、お昼食べてたんだよ! こんなに早いなら、一緒に行けば良かったね!』
と、嬉しそうに拓也の元に行く日奈子。そして、自然な動きでキスをした。拓也は、日奈子のキスで機嫌を取り戻した様子で、もう笑顔になっている。

「じゃあ、ボーリング行こうか?」
拓也が行ってくる。でも、俺は会社に行かないといけなくなったからと言って、それを断った。もちろん、そんなのは嘘なのだが、拓也に隠れてセックスをしてしまったことで、罪悪感のようなものを感じていた俺は、何となく気を利かせてそんな行動を取ってしまった。

日奈子は、一瞬驚いた顔をしたが、すぐに話をあわせてきた。そして、俺はスーツに着替えて家を出た。こんな風に気を使う必要などないのに、罪悪感からそうしてしまった俺……。バカだと思う。
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余命1年の親友に、俺の嫁を嫁がせて新婚生活させた3

前回の話

日奈子と拓也は、結局、次の日の夕方前に帰ってきた。きっと遅くなるんだろうなとか、もしかしたらもう一泊するのではないか? などと考えていたのに、夕方のニュース番組が始まる前には帰ってきた。

『悠斗さん、ただいま〜。はい、お土産〜』
日奈子はそう言って、八つ橋を渡してきた。
「八つ橋? 嫌いって言ったのに」
俺は、激しい嫉妬と動揺を押し殺したまま、笑顔で楽しそうに言った。

「いや、それさ、普通のじゃないんだって!」
拓也が、笑顔で言う。複雑な気持ちのまま袋の中を見ると、それは、チョコバナナの生八つ橋だった。
「なんだこれ?」
俺が吹き出しながら言うと、
『高校生に大人気なんだって。キワモノっぽいけど、美味しいよ!』
そう言って、パッケージを開け始める日奈子。とても、拓也と夫婦として旅行をしてきたとは思えないくらいに、以前のままの感じの日奈子だった。でも、
『あなた、お茶入れるね。悠斗さんも飲むでしょ?』
と、拓也にあなたと言い、俺にさん付けで呼ぶ日奈子を見て、現実に引き戻された。

「お、悪いね。さっき買ったヤツ飲もうよ」
拓也も、すっかりと夫が板についてきた感じだ。旅行に行ったことで、より自然な感じになった気がする。俺は、複雑な気持ちだった。日奈子のボイスレコーダーを聞いてしまった後では、どうしても裏切られたという感情が先に出てしまう。

そして、日奈子が日本茶を入れてくれて、チョコバナナ八つ橋の試食会が始まった。
「あ、ホントだ。これ、普通に美味いわ」
俺がそう言うと、
『でしょ〜。悠斗さんも、八つ橋嫌い克服できたんじゃない?』
日奈子は、凄く楽しそうに言う。俺は、そうだねと言いながら、もう一つ食べてみた。食わず嫌いはよくないなと思いながらも、これって八つ橋なのかな? と、少し疑問を持った。

そして、また日常が始まった。でも、日奈子と拓也の距離は、確実に縮まったみたいだ……。

俺は、ボイスレコーダーを聞いて決めた通り、家に隠しカメラを設置することにした。電気街に出向き、色々な商品を見た結果、部屋の照明のスイッチプレートごと交換するタイプのものにした。それを、寝室とリビングに仕掛けた俺は、自宅にミニPCも設置し、それをサーバのように運用して、24時間録画を始めた。

それを設置した初日、俺は早く動画を確認したくて仕方なかった。でも、日奈子も拓也も、いつも通りに色々と会話をしながら、楽しい食事の時間を過ごし、
『ねぇ、久しぶりにボーリング行かない? 悠斗さんも一緒にやろうよ!』
と、日奈子がそんなことを言い出した。
俺は、少しでも早く動画を確認したかったのだけど、そんな風に誘われて断るのも不自然だと思い、行くと答えた。
『じゃあ、すぐ行こうよ! あなた、運転よろしくね〜』
と、拓也に運転を頼みながら、日奈子はウキウキしている。俺にしてみれば、明日はごく普通の平日だ。休日でもなんでもない。この時間から遊びに行くのもどうなの? と思いながらも、久しぶりに日奈子と遊びに出かけると思うと、胸が躍った。

「平気か? 明日も仕事だろう?」
拓也は、申し訳なさそうに言ってくる。でも、少し前の俺ならばその言葉を素直に受け取ったと思うが、今は、二人きりになるのを邪魔されたくないだけなのでは? と思ってしまう。

俺は、平気だよと答え、出かける準備をする。そして、すぐに出かける準備を終えて、三人で車に乗り込んだ。当然のように助手席に座る日奈子。俺は、一人で後部座席に座る。
二人は、すっかりと夫婦という感じになってしまった。そして、俺も友人として扱われることに、慣れてしまった感じもある。

拓也は、多少痩せてきた感じはするが、まだ元気に見える。とても余命宣告を受けている男には見えない。
「悪いね。明日も早いのに付き合わせちゃって」
拓也は、運転しながら俺に謝ってくる。
『たまには良いよね? 悠斗さんも運動不足って言ってたしね』
笑顔で言ってくる日奈子。戸籍上は日奈子は俺の妻だ。拓也とは、あくまで形だけ、拓也が逝ってしまうまでの期間限定の夫婦のはずだ。でも、俺は日奈子があまりに完璧に拓也の妻を演じているので、不安でしかたない。
そもそも、演じているのではなく、本気で妻になっているのではないか? そんな心配もしてしまう。

『じゃあ、拓也と悠斗さんで勝負ってことにしようよ!』
無邪気にはしゃぐ日奈子。
「賞品は?」
俺は、複雑な気持ちのまま話に乗った。

『えっとね〜。じゃあ、勝った方にチューしてあげる』
日奈子は、少し考えた後そう言った。
「えっ? ダメだよ、そんなの!」
そう言ったのは、俺ではなく拓也だった。もう、ナチュラルに夫としての言動をしているようだ。

『負けなければいいんだよ』
日奈子は、からかうように言う。
「そんな賞品じゃ、気合い入らないし」
俺は、本当は絶対に勝つと思いながらも、そんな憎まれ口を叩いた。
『ウソばっかり。ホントは嬉しいくせに』
おどけて言う日奈子。でも、俺は図星を突かれて言葉に詰まった。

「じゃあ、負けないように頑張るよ!」
拓也は、微妙な空気を打ち破るように、元気よく言った。そして、ボーリング場に到着し、申し込みをしてゲームを始めた。
平日のけっこう遅い時間にもかかわらず、レーンは8割方埋まっていて、意外に混んでいるなと思った。
拓也は何となく気合いが入っているような感じで、少し口数が少なくなった。そんなに日奈子のキスが大事なのかな? と思うと、拓也の一途さを感じた。

そして、2ゲーム練習をした後、勝負が始まると、力みすぎな拓也はスコアを伸ばせず、俺はそこそこのスコアだったが、終始リードしていた。

『拓也頑張れ〜。チューされちゃうぞ〜』
日奈子は、そんな風に拓也を応援する。
「うん。頑張る……」
拓也は、応援されると余計に身体が固くなっている感じだった。

俺は、なんとなくに申し訳なくなり、微妙に手加減を始めた。自分でも、なにをやっているんだろうと苦笑いしてしまったが、勝負は拮抗してきた。
『頑張れ〜。後3ピンで勝ちじゃん!』
日奈子は、最終フレームでそんなことを言った。投げ終えた俺との差は、たった2ピンだった。最後の一投で、普通に投げれば勝ちの場面だったのに、日奈子の言葉で意識してしまったのか、まさかのガターにしてしまった拓也……。

「うわ、ゴ、ゴメン……」
動揺して謝る拓也。本当に、人がいいと思う。すると、いきなり日奈子にキスをされた。唇に、一瞬唇が触れる程度の短いキスだったが、
『拓也のせいだからね〜』
と、少し頬を赤くして言う日奈子。俺は、変な感じだった。日奈子と俺がキスをするのは、本来当たり前の事だし、キスなんて数え切れない位している。でも、俺は拓也に申し訳ない気持ちになってしまった。自分でも不思議だった。

拓也は、
「ゴメン……。勝てなくて……」
と、本気で落ち込んだ様子だった。そして、時間も時間だったので、お開きになった。帰りの車の中では、拓也は口数が少なかった。本気で凹んでいるような感じだ。

『また、やろ〜ね』
日奈子が楽しそうに言う。
「うん。今度は絶対に負けないよ」
拓也は、真剣な顔でそう言った。俺は、なんて言っていいのかわからず、楽しみだなとだけ言った。

そして、帰宅すると、俺が先にシャワーだけ浴びて寝ることにした。明日も普通に会社がある俺は、さすがにもう寝ようと思ったからだ。動画のことは気になるが、見始めたら数時間はかかると思ったので、今日はあきらめた。そして、ボーリングの疲れもあるのか、俺はすぐにウトウトし始めた。

でも、すぐに振動と日奈子の声で目が覚めた。
『……メ、ダメ……って、まだ起きて……ぉ、あぁっダ……っ!』
まだ壁に耳もつけていないのに、かすかに聞こえてくる日奈子の声。そして、ベッドが壁を揺らす振動と、マットレスのスプリングのきしむ音もかすかに聞こえてくる。

『……メぇ、もっ……ゆっく……、あぁっ、声、出ちゃ……らぁっ、あっ、あっ! 拓也、激しいよぉ、うぅっ! うぅーっ!』
日奈子は、必死で声を抑えこもとしている感じだ。拓也の声は一切聞こえてこない。一方的に日奈子が責められているような感じだ。

俺は、物音がしないように気をつけながら、そっと壁に耳を押し当てた。すると、
『奥まで突いちゃダメぇっ! 声我慢出来ないぃ、うぅっ! 拓也、ダメぇ、あぁっ! あっ、あっ! んふぅ……あっ!』
と、日奈子があえぎっぱなしなのが聞こえてくる。

「ゆ、悠斗とどっちが良い? どっちが気持ち良い!?」
興奮した感じの拓也の声が聞こえてくる。
『そ、そんなの、い、言えない、ダメぇ、ぅっっ! あ、あぁっ! もっとゆっくりしてぇ、こわれちゃう、うっ!』
肉がぶつかる音に合わせて、日奈子の声がどんどん大きくなっていく。

「悠斗とキスして、興奮したんだろ!」
拓也の我を忘れたような声。いつもの拓也からは想像もつかないような声だ。
『ち、違うぅ、興奮なんて、してないぃ……あぁっ! もうダメぇ、奥、奥があぁ、うぅあぁっ! 壊れちゃうぅっ! 拓也ダメぇっ! んっおぉおぉっ! ひぃぐぅ……うぅっ!』
「あいつとキスしたかったんだろ! セックスしたかったんだろ!」
拓也は、さらにそんなことを言いながら腰を振っているようだ。

ベッドのフレームが壁に当っている振動と、パンっパンっという音がどんどん大きくなる。

「日奈子、愛してるっ! 愛してるっ!」
拓也は、声を抑えることもなく叫ぶように言う。
『わ、私も、うぅっ! と、止めてぇ、聞こえちゃう、聞こえちゃうからぁ』
「聞こえてもいいだろ! 夫婦だろ! もっと感じろよ!」
拓也は、いつもの優しい感じが消えてしまったように、命令口調で言う。
『イヤぁぁぁっ! ダメッ!! イクっ! イクっ! 拓也、愛してるっ! 愛してるのぉっ!』
日奈子も、声を抑える努力を放棄したようだ……。俺は、やっと頭が回り始めたようで、カメラの存在を思い出した。

ノートパソコンをスリープから解除すると、すぐにカメラにアクセスした。すると、ベッドの上でパジャマを着たままの日奈子が、下半身だけ裸になっている拓也にバックで責められていた。

日奈子は、パジャマのズボンとショーツを膝のところまで下ろした状態で、拓也のピストンを受けている。電気もつけたままの状態で、着衣のままバックで犯されている日奈子……。もの凄い衝撃だった。日奈子が他の男とセックスをする姿……。一生見ることなどないはずだったのに……。

声だけを聞いているのとは段違いの衝撃に、俺は、思わずノートパソコンを閉じてしまった。でも、閉じても日奈子のあえぎ声は壁の向こうから筒抜けだ。

「日奈子、俺の子供産んでくれ! 愛してるっ!」
拓也のそんな声が響き、
『産むっ! 拓也、愛してるっ! チューしてっ!』
俺は、日奈子のそんな言葉に驚き、ノートパソコンを慌てて開いた。すると、すぐにスリープ復帰し、カメラの接続も切れていなかったようで、二人の姿がはっきりと映った。

二人は、正常位になっていた。日奈子のズボンとショーツは、右足だけ外されて、左足にくちゃくちゃっと巻き付いている。そして、二人はキスをしたままの状態でセックスをしていた。

日奈子の腕は拓也の身体に巻きつき、固く抱きしめている。そして、日奈子の脚までもが拓也に絡みつくようになっていた。一つに溶け合ったような状態で、二人のセックスは続いていく。

俺は、そっとノートパソコンにイヤホンを刺した。すると、二人の荒い息遣いと、拓也のピストンにあわせて水音が響いている。あまりにも生々しい音に、俺は、泣きそうになってしまった。

日奈子は、拓也にしがみついたままキスを続ける。そして、うめき声をあげたり、拓也の背中に指を立て、爪も立ててみたりしている。
拓也の大きなペニスがもたらす快感に、無我夢中という感じだ。すると、拓也がキスをやめ、苦しげな声で言う。
「日奈子、愛してる。俺だけ見て欲しい……」
『私も、愛してる。ずっと好きだったよぉ……。ねぇ、中に欲しい。拓也、中でイってぇ♡』
日奈子はそう言うと、自分からキスをした。そして、両手両脚をしっかりと拓也の身体に巻付けてしがみつく日奈子。足の指が思いきり内側に曲がっている。もう、日奈子もイク寸前のようだ。俺とでは、たまにしか見ることのないリアクションだ。

「日奈子、もうイキそう……。気持ちいい? 日奈子、感じてる?」
拓也は、絞り出すように言いながら腰を動かし続ける。
『気持ち良いよ♡ こんなエッチ、したことないもん。拓也のおちんちん、気持ち良すぎて怖いくらいだよ♡』
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余命1年の親友に、俺の嫁を嫁がせて新婚生活させた2

前回の話

日奈子と拓也の夫婦生活と、俺の奇妙な同居生活は、あっという間に1週間が過ぎた。おかしなもので、たかだか1週間で、生活のスタイルが出来上がったような感じだった。

『悠斗さん、朝ご飯出来てるわよ〜』
俺が寝ている部屋のドアの、すぐ向から日奈子の元気な声がする。俺は、いま行くと言いながら、ベッドから抜け出した。ここ1週間、睡眠不足気味なので、少しボォっとしている感じだ。
日奈子と拓也は、言ってみれば新婚だ。毎晩繰り返される夫婦の夜の生活……。俺は、毎晩のように壁に耳を押し当てて盗み聞きしてしまう日々だった。

リビングにいくと、すでに拓也は起きていてコーヒーを飲んでいる。
「おはよう。寝癖凄いぞ」
拓也が、俺の頭を見て笑いながら言う。1週間前にこの生活が始まった時は、あんなに緊張して申し訳なさそうだった拓也も、今ではすっかりとこの家の主という感じになっていた。俺は、拓也におはようと言いながら、コーヒーを飲み始めた。

『はい、いっぱい食べてね!』
日奈子が、俺の前に朝食を運んできてくれる。
「あ、ありがとう。日奈ちゃんは食べたの?」
俺は、結局、日奈子のことを交際していた時の呼び方で呼ぶようになった。そして逆に、拓也が日奈子のことを呼び捨てで呼ぶようになった。
『まだだよ〜。いま食べるところだよ』
そう言って、自分のプレートと、牛乳の入ったコップを持ってこちらにやってくる日奈子。当然のように拓也の横に座って食事を始めた。

「今日はどこか行くの?」
俺が質問をすると、
『うん。京都に行ってくるつもりだよ』
「えっ? 京都? 日帰りで?」
『ホテルが空いてたら泊まるつもりだけど、まだわかんない。夕ご飯、外でお願いね』
サラッとそんなことを言う日奈子。俺は、急にこんな事を言われて、少しムッとしてしまった。
「悪いね。昨日寝る時に決まったもんだからさ。土産買ったくるよ」
少し申し訳なさそうな拓也。でもそれは、日奈子と旅行に行くことを悪いと思っている感じではなく、急な予定になってしまったことを申し訳ないと思っている感じだった。

俺は、一瞬色々な言葉が頭の中をよぎったが、
「気をつけてな。あ、俺、八つ橋は嫌いだからさ」
と、笑顔で言った。
『悠斗さん、八つ橋嫌いなんだっけ? 知らなかった』
日奈子は笑顔で言う。日奈子の言葉づかいや仕草に、俺は本当に友人に戻ってしまったような気持ちになる。もちろん、戸籍上は俺が夫だ。でも、いまは同居人の立場だ……。

そして、俺は会社が休みなので、一瞬、一緒に行こうかと思ったが、余命わずかな拓也が、あと何回日奈子と旅行に行けるのだろう? と思うと、見送ることしか出来なかった。

二人は、小さなカバン一つで出かけていった。二人が楽しそうに出かけていった後、俺は窓から外を見た。すると、二人はしっかりと手を繋いで歩いていた。近所の目があるのに、まったく気にすることもない日奈子の姿を見て、俺は嫌な考えに取り憑かれていた。日奈子は、同情からではなく、本気で拓也との夫婦生活を送っているのではないか? 俺のことが好きなのと同じように……もしかしたら、俺のこと以上に拓也のことが好きだったのではないか? そんな妄想で息が苦しくなるほどだった。


一人きりになった家……。掃除をしたり、不要なものを整理したりしていたが、それも終わるともの凄く孤独を感じてしまった。そして、1週間もしていなかったので、妙に欲情してしまっていた。俺は、ノートPCで動画でも見ながら自己処理をしようかと思ったが、ふと洗濯かごが目に入った。俺は、その中を探った。すると、日奈子の穿いていたショーツがクシャクシャっと丸まって入っていた。

欲情していた俺は、それを広げてしまった。俺にこんな性癖はないはずだが、欲情していた俺は、日奈子の下着に激しく興奮してしまった。そして、股間の部分にシミが出来ているのを見て、我慢しきれずにオナニーを始めてしまった……。

今頃二人は、京都でデートをしている。手を繋ぎ歩きながら、キスなんかもしているのだろうか? そんな想像をしながら、オナニーをする俺。たまらなく情けない気持ちになる。

そして俺は、日奈子のショーツの匂いをかぎ始めてしまった。シミの部分に、栗の花のような独特の匂い……。それは、嗅ぎ慣れた精液の匂いだった。日奈子は、結婚式以来、毎晩達也とセックスをしている。そして、壁越しに聞こえてくる限り、避妊をしていないようだ。でも、実際に見た訳ではないので、もしかしたらギリギリで体外射精しているのでは? と、期待している俺もいた。

でも、日奈子の下着のシミの匂いをかいでしまって、その期待も、もろくも崩れ去ってしまった。この部分に精液の匂いがするということは、中に出されていることに間違いはないのだと思う……。俺は、その匂いに包まれながら、射精してしまった。溜まっていたとはいえ、そんな射精の仕方をしてしまい、俺はひどく自己嫌悪に陥った。

そして、洗濯かごの中のものを洗濯し、夕食でも買いに行こうと出かけようとした時、携帯が鳴った。日奈子からだった。
『悠斗さん、ゴメンね。ホテル空いてたから、泊まっていきます。夕ご飯しっかり食べてね』
手短に用件を伝えて電話を切る日奈子。俺は、孤独に押しつぶされそうだった。そして、洗濯物を干すために寝室に入った。ダブルベッドを見て、胸が掻きむしられるような気持ちになった。日奈子と、いつも一緒に寝ていたベッド。何度もここで愛し合った来た。それがいまは、拓也と日奈子の愛し合う場所になっている。日奈子は、どういうつもりで抱かれているのだろうか? 快感を感じてるのだろうか? オルガズムを感じているのだろうか? 

俺が言いだして始めたことなのに、いざ始まってみると、どうしてこんな事をしてしまったのだろう? という後悔が大きい。

そして夜になり、一人で食事に出かけ、少しビールも飲んで帰宅した。帰っても誰もいない部屋……。記憶にある限り、初めてのような気がする。

そして俺は、ふと気になってしまい、スマホをいじった。そして、友人検索で日奈子の現在位置を調べてしまった。その機能は、普段とくに使うこともなく、そう言えばあるな程度の認識だったが、酔っているせいもあったのか、検索してしまった。

すると日奈子は、京都のラブホテルにいることがわかった。別に普通のホテルにいても同じ事のはずだが、ラブホテルというところが、余計に俺にダメージを与えた。
普通のホテルに泊まっても、結局同じ行為をすると思う。でも、どうしてだかわからないが、衝撃が大きく感じる。二人は、今頃どんなことをしているのだろうか? もしかして、ローションプレイをしてみたり、備え付けの自動販売機で大人のおもちゃを買ったりしているのではないか? そんなことばかり考えてしまう。

俺は、意味もなく寝室に入り、ベッドに座ってみた。今頃二人は、ここでするよりも激しいセックスをしている……。声が響くことも気にせず、ガンガン激しいセックスをしている……。そう思うと、泣きそうだった。

そして、ふと日奈子の化粧台に目が止った。引き出しが少し空いている。几帳面な日奈子らしくないなと思いながら、引き出しを押し込んで閉めた。でも、すぐに気になって引き出しを開けてしまった。すると、アクセサリーや化粧品が整頓されて置かれているのに混じって、見慣れないものが入っていた。

不思議に思って手に取ってみると、それはデジタルボイスレコーダーだった。なぜこんなものが? と、不思議に思いながらスイッチみたいなものを押すと電源が入ってしまい、液晶に起動画面が表示された。

俺は、何の気なしに再生を始めた。再生が始まると、ガサガサと大きなノイズが響く。そして、それがなくなると無音状態になった。俺は、もう終わったのかな? と思ったが、よく聞くとホワイトノイズみたいな音がしているし、液晶画面のカウンターは進んでいる。
すると、ドアが開くような音がして、
「ゴメンね。お待たせ」
と、拓也の声がした。
『早くこっち来てよぉ』
甘えた声の嫁の声。そして、ゴソゴソと布がこすれるような音がする。
「あれ? もう脱いじゃったの?」
『ダメ? だって、シミになっちゃいそうだったから』
「濡れちゃったの? 見せてみて」
『えぇ〜。恥ずかしいよぉ』
「夫婦でしょ? 恥ずかしくないよ」
『うん……。はい……』
「もっと広げないと見えないよ」
『イジワル……。これでいい?』
「ホントだ。濡れてあふれてきてるじゃん。そんなにしたかったの?」
『だってぇ……。欲しくなっちゃたんだもん』
「日奈子はエッチだね」
『拓也がエッチにしたんだよ。だって、あんなの知らなかったもん』
「あんなのって?」
『もう! イジワルだよぉ……。奥が気持ち良いって事です……』
「そっか……。そんなに違うモノなの?」
『うん。私もビックリしたよ……。自転車とバイクくらい違うと思う』
「わかりづらい例えだね」
笑いながら言う拓也。でも、心底楽しそうだ。とても後数ヶ月で死ぬ人間とは思えない。

俺はここまで聞いて、これが夜のセックスではないと気がついた。拓也と日奈子のセックスは、毎晩しっかりと盗み聞きしている。でも、いま聞いている録音は、初めて聞くものだった。
考えてみれば当然かもしれないが、二人は俺がいない昼間にも、セックスをしていたんだなと理解した。あえて考えないようにしていたが、新婚の二人にとって、当然だなと思う。

『タオル外すよ〜』
日奈子は楽しそうな声で言う。夜のセックスでは、日奈子は声を必死で我慢しているし、会話も少ない。俺が横で寝ているので、気を使っていたのだなとわかった。

この録音は、ファイル名を見る限り、昨日のことのようだ。俺がいないところでしているセックスは、こんな感じなんだなと思うと、血の気が引くほどショックを感じる。

「イイよ、自分で外すって」
『いいから、いいから』
楽しそうに言う日奈子。

『やっぱり凄いんだね。明るいところで見ると、ちょっと怖いくらいだよ』
「そんなに違う?」
『もう! そういうのは聞いちゃダメだよ。いまは拓也だけなんだから、比べるようなこと言わないの! 元旦那のこと聞くようなものだよ!』
「ゴ、ゴメン。でも、やっぱり気になっちゃうよ。俺、一番になりたいって思うし……」
『一番だよ。本当に一番だよ。今だけ……とかじゃなくて、一生一番だと思う。絶対に忘れないし、忘れられないもん。あんなの知っちゃったら、忘れられないに決まってるよ♡』
日奈子は思いのこもったような口調だ。俺は、話の意味がイマイチわからないが、一番を連呼する日奈子に、本気で泣きそうになっていた。

一少しの間、日奈子を貸し出して夫婦のまねごとをさせるだけ……。死んでいく拓也に、”冥土の土産”だよ、くらいの、上から目線だった。こんなはずではなかったという言葉を、まさか言うハメになるとは想像もしていなかった。


「ありがとう。本当に、夢みたいだよ。もう、死んでも良いくらいだよ」
『だから、拓也はそれ言っちゃダメだって。シャレになんないんだから』
笑いながら言う日奈子。拓也も笑いながら、ゴメンゴメンと言った。

そして、しばらく会話がなくなり、ほぼ無音になった。

『キス、すっごく上手になった……』
「あ、ありがとう。日奈子のおかげだよ」
『もっと……もっとして♡』
俺は、聞いているのが辛くなってしまい、再生を止めようとした。でも、
「あっ、そんなのいいよ! ダメだって、あぁ」
と、拓也の声が響き、俺は再生を止められなかった。

『私がしたいの。それに、夫婦でしょ? これくらい当たり前だよ』
「うん。ありがとう。あぁ、凄いよ、気持ち良い……」
『痛くない? 歯が当たっちゃぅ……』
「大丈夫。それも気持ち良いから」
『へへ。もっと気持ち良くなってね』

こんな会話の後、しばらく拓也の気持ちよさそうなうめき声だけが響く。夜のセックスはずっと盗み聞きしていたが、一度もフェラチオはしたことがなかったはずだ。すぐに拓也が入れて、比較的短時間で終わっていた……。やっぱり、俺に気を使っていたんだなと思った。


「日奈子、ダメだよ、もう出そう」
苦しげに言う拓也。
『イイよ。全部お口に出して♡ 飲んであげるから』
日奈子はそんなことを言う。中出しに続いて、飲精まで……。俺は、日奈子が上書きされてしまっているような気持ちになり、絶望を感じてしまった。

「あぁ、イク、日奈子、イクっ!」
『んんっ〜っ!』
そして、ハァハァと荒い息遣いの拓也。

『いっぱい出たね。昨日の夜もしたのに、凄いね』
「日奈子とだったら、何回でも出来るよ。飲んでくれたんだね……。ありがとう」
『美味しかったよ。ごちそうさま』
日奈子がおどけて言う。

俺が会社にいる間、こんな事をしていたなんて、とても信じられない。でも、一途な日奈子の性格を考えると、日奈子らしいと言えるのかも知れない……。

「次は俺が……」
『あっ、ダメぇ、もう入れて大丈夫だから、あぁっ、ダメぇぇっ! 濡れちゃってるから、あぁっ!』
「凄いよ。お尻まで濡れてる……」
『イヤぁぁ、恥ずかしいよ……』
「夫婦でしょ? 恥ずかしくないって」
『うぅ……あっ、あぁっ、そ、そこダメぇ、ひぃあぁっ♡』
こんな会話の後、日奈子のあえぎ声が響き続ける。

日奈子のあえぎ声……。こんな風に聞くのは、当然初めてだ。俺は正直興奮もしていた。嫉妬や絶望も大きいが、日奈子のあえぎ声は、それだけで驚くほど興奮してしまう。セックスしている時は、俺も興奮状態なので、聞いているようで聞いていない感じなのだと思う。こうやって、じっくりと聞く日奈子のあえぎ声は、どんな動画よりもはるかにエロい気がした。

『あ、あっ、あぁんっ、うぅ、あぁっ! ダメぇ気持ちイイっ! 拓也ぁ、もう我慢出来ないよぉ! い、入れてっ! おちんちん欲しいぃっ!』
日奈子はそんなことを叫んだ。日奈子がそんな言葉を吐くのは、聞いたことがない。清楚な美人という感じの日奈子は、その顔のイメージ通りの、上品でおとなしいタイプの女性だったはずだ。

「日奈子、愛してる。行くよ」
拓也の思いのこもった声がする。
『うん。愛してる。いっぱいして下さい♡』
日奈子もなんの躊躇もなく愛してると言っている。俺は、何の意味があってこんな録音をしたのだろう? と思いながらも、聞くのを止めることが出来なかった。
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余命1年の親友に、俺の嫁を嫁がせて新婚生活させた

嫁の日奈子とは、結婚して6年目に入った。お互いに子供は望んでいて、ここ2年ほど頑張っているが、まだ授かっていない。日奈子は、夫の俺が言うのもはばかられるが、本当に可愛らしくていい女だと思う。

最近は、良い部屋ネットや白猫のCMに出ているアイドルに本当によく似ていると言われる。それに引き換え、俺はパッとしない感じの脇役タイプで、日奈子と付き合えて結婚まで出来たのは、俺の人生で最初で最後の奇跡だと思っている。

ただ、付き合い始めるときには、少し問題もあった。俺と日奈子は、同じ大学のサークルに所属していた。そして、もう一人拓也という同じ歳の男がいて、俺達3人は一緒に行動することが多かった。
拓也はどこから見てもイケメンなんだけど、中身は素朴な田舎の兄ちゃんという感じで、なおかつ初めの頃は少しなまりもあり、顔は良いのにいじられキャラという感じだった。

そんな拓也が、ある日俺に相談をしてきた。日奈子のことが好きで、交際したいという内容で、俺は協力することを約束した。もちろん、俺も日奈子のには好意を持っていたが、俺ではまったく釣り合わないとあきらめていたので、キューピット役に徹しようと自分の想いを殺した。

そして俺は色々と動いたのだけど、結果だけ言うと、俺と日奈子が付き合うことになってしまった。日奈子は、信じられないことに、もともと俺の方が好きだったようで、拓也もそれを聞いてあっさりとあきらめてくれた。拓也を裏切ったような形になり、俺は凄く心苦しかったのだけど、拓也の方が気にするなと言ってくれて、その後は本当にわだかまりもなくそれまで通りに接してくれた。
そして卒業し、2年も経たずに結婚した俺達を、拓也は本当に心から祝福してくれた……。


その拓也が、病魔に冒されてしまった。膵臓がんと言うことで、自覚症状もなく、会社の健康診断で発覚したそうだ。すでに手の施しようがないそうで、そんなことはとても信じられなかった。拓也は痩せてもいないし、苦しそうでもなく、健康ないつもの拓也に見えたからだ。それに、拓也の家系にガンの人がいると聞いたこともなかった。
なので、それを聞かされたとき、俺は”悪い冗談はやめろ”と言いかけた。でも、拓也がそんな冗談を絶対に言わない男だと言うことを思い出した……。

それを聞いてから、拓也と過ごす時間が増えた。日奈子には、拓也の希望もあって病気のことは言わなかったが、何となく日奈子も感づいているのかなと思うこともあった。

そんなある日、俺と拓也の二人で飲んでいるとき、話の流れで後悔していることの話題になった。
すると拓也は、結婚出来なかったことが心残りだと言った。拓也は言わなかったけど、それは、日奈子と結婚出来なかったことが……という意味だと思った。

俺は、少し痩せてきた拓也を見て、迷いに迷った挙げ句、日奈子に打ち明けた。そして、俺の思いと希望をぶつけてみた。
俺が言ったのは、拓也の病気のことと、拓也と結婚して一緒に夫婦としてすごしてやって欲しいと言うことだった。もちろん、重婚なんかは出来ないので、事実婚というような感じでという意味だが、俺は本気でそう思っていた。親友として、同じ女を愛した男として、そうしてあげたいと心から思ってのことだった。

『やっぱりね……。そうじゃないかって思ってたよ。でも、悠斗はそれで良いの? 悠斗がそれでいいなら、私もそうしてあげたい……。うぅん、そうしたいと思うよ』
日奈子は、言い直した。たぶん、してあげたいというのが、上からな感じがして言い直したのだと思う。がさつで気が回らない俺に比べて、日奈子はこんな心配りも出来る女だ。つくづく、俺には過ぎた嫁だと思う
そして、俺と日奈子は、そうすることを決めた。

次の日、拓也を自宅に呼び、その話を始めると、
「な、なに言ってんの! そんなのおかしいって! 別に俺、そんなの望んでないし!」
と、拓也は珍しく慌てた感じで言った。病気のことが発覚して以来、1周回って達観したような感じになった拓也は、喜怒哀楽が薄くなったようになっていた。それが、今は顔を真っ赤にして慌てている。

『私じゃ不満? ひどくない? 拓也のくせに生意気だよ!』
と、おどけた感じで言う嫁。いつものノリだ。でも、嫁は目が真っ赤だ。今まで薄々気がついていたとは言え、ハッキリと拓也があと1年も生きられないとわかった今、涙をこらえるので必死なのだと思う。

「そんなことないよ! 不満なんてあるわけない! でも、そんなの悪いし」
『悪くないよ。そうしたいの。私も、ずっと拓也のこと好きだったんだから……』
嫁は、ハッキリと言う。
「……ありがとう……」
拓也は、戸惑った顔でそう言った。もちろん、これであっさりと話が進んだわけではない。その後も何回も話し合って、そして拓也と日奈子は結婚することになった。

結婚式の前日、と言っても、教会で俺達3人だけで挙げる式だが、日奈子は本当に悲しそうだった。結婚式後も、色々な事を考慮して、結局俺達の家で3人で同居するのだけど、それでも日奈子は一日中泣きっぱなしだった。

『悠斗、ゴメンね。嫌いにならないでね……』
と、嫁は謝り続けた。俺が言い出したことだし、日奈子が謝る理由なんてないのだが、何度も何度も謝ってきた。俺は、その度に嫌いになるはずが無いと言うことと、拓也に心残りがないようにしてあげようということを話した。

そしてその夜は、俺と日奈子は激しく燃え上がった。明日から、籍はそのままで期間限定とは言え、日奈子が拓也の妻になる……。そう思うと、愛おしくて仕方なかった。
ただ、このタイミングで妊娠してしまってはまずいという判断で、コンドームをしてのセックスだった。それでも俺は、夢中で日奈子を求め、何度も何度もキスをして、愛してると言い続けた。
日奈子も、いつも以上に激しく反応し、目を真っ赤にしながら何度も愛してると言ってくれた……。


次の朝、日奈子は先に起きて、朝食をつくって俺が起きるのを待っていた。
『おはよ〜。食べたら、美容室行ってくるから、先に教会で待っててね』
嫁は、昨日とは違って笑顔だった。吹っ切れたように良い笑顔の嫁を見て、俺は複雑な気持ちだった。俺が言い出したことなのに、今さらやめたい……。そんな気持ちになってしまった。

でも、嫁に促されて朝食を食べ始める。嫁もテーブルにつき、一緒に朝食を食べる。それが終わると、嫁は美容室に向かって行った。

俺は、スーツに着替え始める。白いネクタイをして、結婚式に出席する人の姿になる。そして、戸締まりをして教会に向かって出発した。不思議な感覚だった。今日からしばらく夫婦ではなくなる……。形だけとはいえ、喪失感が凄かった。

教会に着くと、拓也はもう来ていた。タキシードを着て髪型も決めた拓也は、画に描いたようなイケメンで、男の俺が見ていてもドキッとする程だった。その拓也が、ガチガチに緊張した顔で俺に挨拶をしてきた。

「なに緊張してんだよ。人生最大の見せ場だろ?」
俺は、とてもこの男が余命1年もないとは信じられなかった。ネットで調べると、闘病生活後半は、痛みでモルヒネ漬けのようになるそうだ。そうなってしまっては、もうまともな生活は不可能になる……。そう考えると、余命は1年であっても、加奈子と夫婦でいられるのは半年もないのかも知れない……。そう思うと、俺は日奈子を一時とはいえ奪われる事へのジェラシーよりも、友を失う悲しみの方が大きく、自然と涙があふれ出してしまった。

「悠斗……。俺さ、お前が羨ましくてしかたなかったんだ。本当は、何度も日菜ちゃんを奪ってやる……。そんな風に思った事が何回もあったよ。でも、日菜ちゃんはお前じゃなきゃダメなんだよ……」
拓也も目を真っ赤にして言ってくる。
「日奈子のこと、泣かせるなよ!」
俺は、精一杯の強がりを言った。
「約束する」
拓也は、静かに、でも力強く言った。

そして、日奈子がやって来た。タクシーでやって来た日奈子は、メイクと髪型が決まっていて、日々見慣れている俺も、あまりに綺麗で見とれてしまった。日奈子のドレスは、あらかじめ持ち込んである。
『お待たせ〜。拓也格好いいじゃん! 結婚式場のCMに出てきそうだよ!』
拓也を見て、少し頬を赤くして言う日奈子。俺は、正直嫉妬していた。

「日菜ちゃんこそ、綺麗すぎて緊張しちゃうよ」
拓也は、お世辞なんかではなく本心で言っていると思う。
『あれぇ? 拓也って、そんなお世辞言うキャラだったっけ? でも、ありがとう』
日奈子は心底楽しそうに見える。俺は、心がざわつくのを感じていた。

日奈子は、控え室に向かう。一人で着替えられるか心配だったが、教会の人が手伝ってくれるという段取りらしい。そして俺達は、神父さんに挨拶をする。
この教会は、小学生の頃の俺が英会話学校で通った教会だ。そして神父さんも、その当時から知っている人で、今回の特殊な事情を話したら快く協力してくれることになった。

そして準備が整った。普通の結婚式みたいに、父親との入場や、音楽なんかの演出はない。バージンロードを、拓也と日奈子が一緒に歩いてくる感じだった。俺はそれを、ベンチに座って見ているだけだった。

二人は腕を組んだりすることもなく、普通に歩いてくる。日奈子は、ウェディングドレスを着ているが、ベールまではしていない。ロングの手袋をして、真っ白なドレスを身にまとった日奈子は、本当に清楚なお姫様みたいだった。日奈子は、少し緊張している感じはあるが、笑顔だ。それに引き換え、拓也はガチガチに緊張している。歩き方まで少しぎこちなくなっている。日奈子は2回目の結婚式なので、そのあたりの違いが出ているのだと思う。

そして、神父さんが話を始めた。事情がわかっているので、通常の結婚式で言うようなことではなく、友情の話を交えて命の尊さを話してくれた。

その話の後、永遠の愛を誓うかと問われ、日奈子も拓也も誓いますと答えた。俺は、永遠の愛を誓った二人を見て、嫉妬も感じていたが、素直にお似合いの二人だなと思ってしまっていた。

そして、指輪を交換して、誓いのキスをする二人……。目を閉じて少し上を向く日奈子。拓也は緊張した顔で、日奈子に顔を近づけていく。すぐに、軽く唇と唇が触れる。唇が触れるだけの軽いキスだったが、俺は人生で最大のショックを受けていた。

それは、あっという間に終わった。キスを終えた後、日奈子は俺を見た。そして、一瞬悲しそうな顔をした後、再び拓也に向き直った。

しばらくして、式は滞りなく終わった。日奈子は控え室に行き、俺と拓也は二人きりになった。
「悠斗、俺、もう満足だよ。本当に充分だ。これで終わりでいいよ。ありがとうな」
拓也はしんみりとした顔で言う。俺は、さっきのキスでショックを受けていたので、拓也の申し出を受けてこれで終わりにしようと思った。

そこに、日奈子が戻ってきた。
『あなた、お待たせ〜。早く帰ろう!』
元気いっぱいに声をかけてきた日奈子は、そのまま俺の前を素通りして、拓也の手を握った……。
「い、いや、でも……」
口ごもる拓也だが、
『早く帰ろう。私達の家に』
日奈子は、真剣で思い詰めた顔でそう言った。俺は、日奈子の覚悟を見た気がして、何も言えなくなってしまった。拓也も同じだったようで、
「うん……。帰ろう」
と言った……。

そして、俺達は拓也の車で家を目指した。拓也の車には、彼の荷物が積まれている。これから生活を始めるには、少ないなと思う量だが、仕事も辞めた彼には充分な量なのかもしれない。
仕事は辞めたものの、拓也は慎重な性格だったので、保険にも加入していた。ガンや重度障害などの特約もつけていたので、退職金と合わせると充分な金額を持っていたと思う。

そして、俺達の家に着くと、3人で荷物を運び込んだ。
「ありがとう。おかげで早く終わったよ。じゃあ、車置いてくるよ」
そう言って、拓也は一旦自宅に帰ろうとした。すると、当たり前のように日奈子がそのあとを追う。
『じゃあ、夕ご飯も何か買ってくるね。悠斗、バイバイ』
と日奈子が言った。俺は、日奈子にこんな態度を取られて、自分が何一つ覚悟出来ていなかったことを思い知った。冷静に考えれば、こうなることは予測出来ていたはずだ……。

拓也は、申し訳なさそうな顔で俺を見ると、そのまま車に乗り込んだ。そして、助手席に乗り込む日奈子。日奈子は、一瞬悲しそうな顔で俺を見た。でも、すぐにドアを閉めると、出発していった。

俺は、拓也の荷物が運び込まれた部屋を見て、泣きそうだった。バカなことをしてしまったという後悔が、津波のように押し寄せてくる。俺は着替えると、ビールを飲み始めた。日奈子は、どう思っているのだろう? 俺の気持ちが凹んでいるからだと思うが、日奈子は楽しそうだと思ってしまう。

日奈子は、抜群のルックスの割に、男性との交際経験が少なかった。セックスも俺が初めての相手だった。さすがに付き合ったり、デートしたりキスをしたりは経験済みだったが、付き合ったのは高校時代に一人だけだったそうだ。

本人はモテなかったからだと言っているが、日奈子が可愛すぎて男子も行けなかったんじゃないのかな? と思っている。
そして、結婚してからは、いつも二人で一緒だった。こんな風に別行動になるのは、記憶にないくらいだ。

俺は、気持ちが落ち込んだまま飲み続けた。すると、日奈子達が帰ってきた。
『お待たせ〜。お腹すいたでしょ? 買ってきたよ〜』
と、日奈子がいつもの感じで入ってくる。でも、すぐ後ろには袋を両手に持った拓也がいる。
「待たせたね。お、先に飲んでるんだ」
拓也は出発前と比べて、凄く明るくなっていた。最近は、感情が少し薄くなったようで、あまり笑う姿も見ていなかったが、こんなに笑っている拓也を見ると、妙にホッとした。

そして、テーブルにお土産の寿司が並ぶ。
「結婚式の日のディナーには思えないな」
俺は、かなり虚勢を張ってそう言った。
『確かにね。でも、こういうのも楽しいよ。ねぇ、あなた』
日奈子は、拓也を見てそう言う。
「そうだね。じゃあ、日奈ちゃ……じゃなかった、日奈子、食べようか」
拓也は、そんな風に言い直した。確かに、夫婦なら呼び捨ても当たり前かもしれない。俺は、本当に始まってしまったんだなと、暗い気持ちになった。

そして、食事が始まる。日奈子と拓也はテーブルの同じサイドに座り、反対側に俺が一人で座る。言いようのない孤独を感じながらも、俺は虚勢を張り続けた。

「けっこう美味しかったな。俺、飲み過ぎちゃったから、先に風呂入って寝るよ」
と言って、立ち上がった。
『あ、うん……。じゃあ、布団敷いとくね』
日奈子は、少し言いづらそうにそう言った。俺は、夫婦の寝室の横の洋室に寝るという段取りになっていた。わかってはいたが、あらためてそう言われると、気が狂いそうになる。そこで、今さら俺は、今日は二人にとって新婚初夜なんだということに気が付いた。

「あ、ありがとう……」
動揺しながらそう答え、フワフワと地に足がつかない感じで風呂に向かった。そして、風呂に入り、パジャマに着替えてリビングに戻る。すると、二人はワインを飲んでいた。
『あ、早かったね。悠斗も飲む?』
と、少し頬を赤く染めた日奈子が聞いてくる。俺は、飲み過ぎちゃったからと言い訳をして、逃げるように洋室に向かった。背中から、二人のおやすみという言葉が聞こえてきた。

そして部屋に入ると、すでに布団が敷いてある。俺は、現実から逃げるように布団に入って目を閉じた。でも、まったく眠れない。
二人の足音とか、風呂場の方からの物音に耳を集中させてしまう。

『一緒で良いじゃん。夫婦でしょ』
風呂の方から、日奈子のそんな声がした。
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