前回の話
私は、ガッカリしたことなどおくびにも出さずに話を続けた。私が許可したことはわかっているのだろうか? そのあたりを探るようにしながら話を続ける。
『どうしたら良い? デートした方が良い?』
いおりは、少し戸惑ったような顔で聞いてくる。この流れだと、私が許可したことは伝わっていないなと思いながら話を続ける。私は、いおりがしたいならいいよと言った。
『パパはどう思ってるの? イヤだなって思ってる? それとも……興奮してる?』
いおりも、探るような感じで会話を続ける。私は、どう答えて良いのかわからずに言葉が出てこない。すると、いおりは指で私の股間をつついた。
『フフ。返事してる。パパの代わりに、こっちが返事してるね。じゃあ、デートしてくるね』
いおりは、イタズラっぽい笑顔でそんな事を言う。そして、もう一度私の股間を指でつつくと、夕食の準備を始めた。私は、すっかりと勃起している股間を見て、我ながらどうしてしまったのだろう? と、心配になってきた。自分の嫁が他の男とデートしようとしているのに、とめることもなく興奮する……。寝取られ性癖なんて、今まで自覚したこともない。むしろ、寝取られもののAVなんかは見るのを避けていたくらいだ。
『パパ、土曜日はたーくんと動物園でも行ってみたら? きっと、喜ぶわよ』
食事をしながらそんな事を言ってくる。土曜日にいおりは謙也とデートをして、私は息子と動物園……。異常な話だと思う。でも、私はすっかりと勃起してしまっていた……。
『たーくん、ぞうさんやキリンさん見られるって』
そんな事を息子に言ういおり。息子は、無邪気に喜んでいる。パパ大好きと言われて、胸がチクリと痛くなる。でも、今さらとめることも出来ない。とめることも出来ない? 私は、自分がそう思っていることにビックリしていた……。
そして、その夜はいおりと普通にセックスをした。昨日は手であっけなくイカされてしまったが、今日はより嫉妬心が増していたのか、服を脱がせるのももどかしくコンドームをつけるとすぐに挿入した。
『フフ、パパのすごく固いよ。こんなにヤキモチ焼いてくれるなんて、嬉しいな。でも、パパにこんな性癖があったなんてビックリ』
いおりは、幸せそうな顔で言う。私は、すぐに彼女にキスをすると、そのまま腰を激しく動かし始めた。交際中や結婚後しばらくは、本当に頻繁にセックスをしていた。見慣れた身体、抱き慣れた身体のはずだ。それなのに、今日はすごく新鮮な感覚で、興奮も驚くほど高まっている。
『パパ、気持ちいい。すごく固いよ。好き、愛してる。パパ、もっとっ』
いおりは、気持ちよさそうな顔で言う。こんな表情の彼女は、しばらくぶりだ。ごくたまにする最近のセックスは、淡々と言葉も少なく作業のような感じになっていた。私は、愛してると言いながら腰を動かし続ける。でも、興奮しすぎているせいか、もうイキそうになってしまっている。挿入して一分経ったかどうか……。私は、情けない気持ちになりながらも、自分がこんなにも興奮していることに改めて驚いてしまう。
『パパ、想像してる? 私が謙也さんに抱かれてる姿……』
あえぎ声混じりにいおりが聞いてくる。私はドキッとしながらも、正直にうなずいた。さっきから、いおりが謙也に抱かれて何度もキスをしている姿を想像してしまっている……。
『私もだよ……。想像してるの。謙也さんに、頬じゃなくて口にキスされてるところとか……』
いおりは、うわずった声で言う。こんなに興奮した感じのいおりを見たことは、学生時代も含めて一度もないかもしれない。私は、とかって? と質問する。
『……ダメ、言えない……。ごめんなさい……』
いおりは、泣きそうな顔で言う。私は、逆に気になってしまい質問を繰り返す。
『うぅ、想像してるの。こんな風に、謙也さんに抱かれてるところ……』
いおりは、罪悪感にまみれたような声で言う。私は、その言葉を聞いた瞬間、やはり前回同様いきなり射精をしてしまった。予備動作というか、助走する感じもなくいきなり爆発したように射精を始める私……。あまりの快感にうめいてしまう。
『あぁっ、パパ、ドクドクしてるよ』
いおりも、私の射精に少し驚いた顔だ。でも、すぐに幸せそうな顔になり、私にキスをしてきた。珍しくいおりの方から舌を差し込んできて、積極的に舌を絡めてくる。私は、いおりが興奮していることに複雑な気持ちになってしまう。今は、何を考えているのだろう? こんな風に謙也とキスをする自分を想像しているのだろうか? 私は、濃厚にキスをする二人を想像して、不安と興奮を感じていた……。
次の日、謙也がまた昼食に誘ってきた。
「オマエと話してることは言った方が良いの? それとも、打ち合わせも何もしてないって感じが良いの?」
謙也は、そんな事を聞いてくる。私は、そもそもいおりがちゃんと報告をしてきているので、どちらでも良いかなと思っていた。そして、任せるよと告げると、
「OK。あと、本当に抱いても良いの? 後悔しないか」
と、聞いてくる。もう、すっかりといおりを抱ける気満々になっている彼を見て、少しムキになってしまう。確かに、謙也はモテるし女性を落とすことにかけては凄腕だと思う。でも、こんなに簡単にいおりが身体を許すと思っていることは、夫としては悔しい。
出来るものならやってみろという感じの言葉を、オブラートに包んで言うと、
「ありがと。じゃあ、頑張るよ。いおりちゃん、オマエのことラブラブだからけっこう大変かも。でも、オマエが寝取られ性癖だってわかれば、意外に乗ってきてくれるかもな」
と、こちらの事情を見透かしたようなことを言い始めた。私はドキッとしながらも、そうだなとだけ言った……。
そして、デートの日が来た。動物園に出かける支度をする私と息子。いおりは念入りにメイクをしたりしている。ママがいないことに抵抗があるかと思ったが、息子は意外に気にしていない。楽しそうにニコニコ笑っている。
そして、私たちが先に家を出た。手をつないで歩いていると、本当に時の流れの速さを感じる。歩けるようになるまで、何回も練習をした。ハイハイしているときの姿や、つかまり立ちを始めたときの姿……。思い出すだけでも感動してしまう。
動物園では、無邪気に喜ぶ息子をみて本当に楽しい時間が過ごせた。見たことのない動物を見ては、あれなぁに? と可愛く聞いてくる息子。そんな一つ一つのやりとりが本当に楽しい。きっと、息子はこの時のことを忘れてしまうのだろうけど、私は一生覚えているんだろうなと思った。
そんな中でも、カップルを見かけるとつい想像してしまう私もいた。今頃、二人は何をしているのだろう? もしかして、もう抱かれてしまった? 不安と嫉妬と興奮が入り交じり、心臓が早鐘のように打つ。
そんな事を繰り返しながら、夕方家に帰った。息子は、ゾウのぬいぐるみを大切そうに持っている。そして、一人で遊び始めた。私は、悶々としながらいおりの帰りを待った。
思ったよりも早くいおりは帰ってきた。私と目が合った瞬間、少し申し訳なさそうな顔になった気がした。ドキッとしている私にいおりが話を続ける。
『ただいま。ゴメンね、ご飯作るね。たーくん、ゾウさんどうだった? あっ、可愛いぬいぐるみ! 買ってもらったの!』
「うん! パパにかってもらったの!」
元気いっぱいに話す息子。いおりは、良かったね~と言いながら息子を抱きしめる。なんとなく、罪悪感を感じているような雰囲気がする。私は、悪い予感にドキドキしっぱなしだ。でも、息子の手前、聞くに聞けない。
そして食事始まり、息子が疲れのせいか早々に寝落ちすると、
『楽しかったんだね。ありがとう』
と、いおりが息子を見つめながら言う。私は、動物園での出来事を話し始める。そして、いおりはどうだったの? と質問した。
『楽しかったよ。今日は、高山の方までドライブしてた。あっちの方は、もう寒かったよ』
そんな報告を始めるいおり。私は、古い町並みを手をつないで歩く二人を想像して、ドキドキしていた。そして、もっと話を聞こうとするが、
『フフ。後で聞かせるね。ベッドの上で』
と、今まで見せたこともないような妖艶な笑みを浮かべながらいおりが言った。私は、ドキッとしてしまう。何があったんだろう? もしかして……イヤな予感で胸が苦しくなる。でも、ドキドキと不安な気持ちになりながらも、私は勃起してしまっている。
いおりは、私の股間を指でつつくと、
『フフ。もう興奮してるね』
と、嬉しそうに言いながら片付けを始めた。
ベッドに入ると、いおりは今日の出来事を色々話してきた。ドライブ中の会話は、謙也の昔の女性関係の話題が多かったそうだ。
『謙也さん、今まで3人くらいとしか付き合ったことないんだって。もっと多いのかと思ってた』
意外なことを口にするいおり。私の中では、彼はとにかくモテるという印象しかない。でも、考えてみたら、彼女だと紹介されたのは一人だった。遊んではいたけど、交際までする事は少なかったのかな? と、思った。
『なんか、飛騨牛のお店に行ったよ。外国のお客さんが多かったけど、店員さん英語ペラペラでビックリしちゃった』
そんな風に、デートの報告を続ける彼女。食品サンプルを作るお店でキーホルダー作りなどもしたみたいだ。
本当に、デートを楽しんできた……そんな雰囲気の彼女に、ますます嫉妬心が強くなっていく。
いおりは、いきなり股間を掴んできた。
『もうこんなになってる。まだ、普通のデートの話してるだけだよ?』
いおりは、イタズラっぽい笑みを浮かべながら言う。私は、思わずゴメンと謝った。
『フフ。謝らなくても良いよ。もっと聞かせるね』
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