「何してるんですか?」
いきなり声をかけられて、俺はウォッと叫んでしまった。道の駅でバイクをいじっている俺に、可愛い若い女の子が声をかけてきた。その女の子は、肩までの緩くウェーブがかかったような髪が印象的な、目鼻立ちがはっきりした美少女だった。
身長が少し高いなと思ったが、足を見るとブーツを履いている。ライディングブーツだ。格好も、よく見るとライディングウェアだ。でも、やたらと英語が書いてあったりするような感じのウェアではなく、街着でもイケそうなおしゃれな感じのヤツだ。
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俺は、タイヤの空気圧を調整していたので、結構集中していた。そんなタイミングで後ろから声をかけられ、思わず叫んだ。
「ご、ごめんなさい!」
慌てて謝る彼女。俺は、一瞬むかっとしたのは確かだが、彼女の顔を見て吹き飛んだ。道の駅で話しかけてくるなんて、大抵はおっさんのバイク乗りだ。
俺は、精一杯の笑顔で気にしないでと言った。そして、タイヤの空気圧を調整していると説明した。
「空気圧ですか? どうかしちゃったんですか?」
彼女は、好奇心いっぱいという顔だ。俺は、そんなに珍しいことかな? と思いながらも、説明を始めた。
朝出発したときにあわせたので、思ったよりも気温が上がった今、空気圧が高くなりすぎたと。
「え? 気温で変えるものなんですか?」
彼女は、驚いた顔で聞く。普通はそこまでしないけど、俺はバイク競技をしているので気になってしまうと告げた。
「競技ですか? レースとかしてるんですか?」
キョトンとした顔で聞いてくる彼女。俺は、この話のゴールはどこにあるんだろう? と思いながらも、彼女が可愛いので話を続ける。
俺は、草レースだけどサーキット走行をしていると告げた。
「格好いい!」
彼女は、そんな風に言ってくれた。俺は、別にそんなことはないし、俺はそんなに速くもないと説明をする。実際、アマのトップクラスの人たちから見たら、1秒以上遅い。たった1秒かもしれないが、1周50秒程度のサーキットでその差は大きい。
「こんなにタイヤって、端っこまで溶けちゃうんですね。私のなんて、こんなです」
そう言って、隣に停めてあるバイクを指さす彼女。それは、イメージとは違って600ccのフルカウルモデルだった。最近は、SS(スーパースポーツ)と言われるらしい。
でも、彼女のバイクのタイヤも、結構端まで使えている。俺は、どこで走ってるの? と聞いた。すると、サーキットの走行会なんかを走っているらしい。俺は、充分使えてるよと言った。そして、俺のバイクは練習でも使ってるので、こうなってるだけだと説明した。実際、公道でそこまでバンクはさせない。路面の砂利とか落ち葉も怖いからだ。
そして、会話が思いのほか盛り上がる。俺は、ツーリング旅行の移動日だったので、別に急ぐ必要もなく話を続ける。意外に楽しい。考えてみれば、女の子と会話をすること自体、久しぶりだ。彼女もいないし、周りはバイク競技の人間ばかりだ。
「今度、走行会で一緒に走ってください。一緒に走ってくれる人、全然いないんでもし良かったら……」
彼女は、そんなことを言った。俺は、不思議に思った。彼女くらいの美少女なら、すぐに取り巻きが出来て姫状態になりそうだ。たぶん、ツーリングをしていても、道の駅なんかでガンガン声をかけられそうだ。
そのことを指摘すると、
「遅い人に限って、うんちくばっかりなんです」
と、言いづらそうに言った。俺は、笑ってしまった。バイクあるあるだ。道の駅でマウントを取ってくるおっさんは、立派な大型バイクに乗っているのにタイヤの端っこが新品のままだ。
「私、ミクです。本当に、良かったら一緒に走りたいです」
そんなことを言ってくれる彼女に、俺はドキドキしてしまった。そして、良いよと言った。すると、彼女の方からラインの交換を求めてきた。俺は、すぐに交換したが、もしかしてこれは何かの罠かな? と思ってしまった。
「そういえば、これからどこに行くんですか?」
彼女は、そんなことを聞いてくる。俺は、関係ないけど、ふと彼女は胸が小さいなと思った。あまり膨らみがない。でも、スタイルが良いので、引き締まった身体なんだろうなと思った。
そして、これから宿に行くことを説明した。普段、サーキットでゴリゴリに走っているせいか、たまにのんびりあてもなく走りたくなる。
「そうなんですね! 私もそうなんです。佐久の一萬里ってところに泊まるんです」
そんな風に言う彼女。俺は、びっくりして俺もだよと言った。
「え? 一緒のところなんですか? びっくりです」
彼女は、良い笑顔で言った。こんな偶然もあるんだねと、話はさらに盛り上がる。そして、一緒にツーリングしながら行くことになった。
俺は、不思議だった。なぜこんなに好意を持ってくれる? 俺は、どちらかというと無愛想で強面だ。自慢するのは筋肉くらいだ。趣味で筋トレをしているので、そこそこマッチョだ。でも、ライディングウェアを着ている今は、ただの小太りに見られていると思う。
俺は、思いがけない幸運に楽しくなりながら、彼女を引っ張って走った。と言っても、普段からサーキットを走っているという彼女は、充分に上手かった。公道で少し飛ばす程度なら、下手な男よりも全然上手いと思う。
俺は、引っ張るのは正直ダルいなと思っていたが、意外に楽しく走れた。
「やっぱり、速いです! それに、上手です」
宿に着くと、ミクちゃんが感心した顔で言ってきた。俺は、ミクちゃんのことも褒めた。お世辞ではなく本心で。
「フフ。嬉しいです。高橋さんって、優しいんですね」
ほんのりと頬を赤くしながら言う彼女に、俺は恋に落ちそうだ。
そして、チェックインをした。並んで別々の人に手続きしてもらってる中で、ミクちゃんに勝手に夕食の時間を一緒にされた。おまけに、テーブルも一緒にしてくださいと言っている。俺は、別に異論はない。でも、あまりに積極的というか、罠がないかと心配になってしまった。
夕食まではまだ時間があるので、とりあえず温泉に入ることにした。人気の温泉なので、普段は平日の昼でもそれなりに混むそうだ。でも、コロナの影響とかもあるのか、俺が入ったときは俺だけだった。
のびのびとした気持ちで露天風呂に入っていると、お客さんが入ってきた。さすがに一人きりだと心細いなと思っていたので、少しホッとした。
少しすると、露天風呂の方にやってきた。そして、湯船に入った音がする。俺は、ふと顔をそっちに向けた。ミクちゃんだ……俺は、慌ててしまった。女湯に入ってしまった? ヤバい! とか思ったが、ミクちゃんを見ると、股間をタオルで隠しているだけだ。胸は、小さいと言うよりもぺったんこだ。髪は縛ってまとめている。
……男? 俺は、一瞬でそんなことを考えた。
「フフ。高橋さんだ。お邪魔します」
そう言って、湯船に入る彼女……ではなくミクちゃん。タオルを外した瞬間、股間に見慣れたものが見えてしまった……。
俺は、動揺しすぎて、
「男なんだね!」
と、元気よく言ってしまった。一番言ってはいけないことかもしれないと思ったときには、手遅れだった。でも、ミクちゃんはニコッと笑う。
「はい。気がつかなかったですか?」
と言った。俺は、彼女……彼が怒っていなくてホッとした。
「いや、全然わからなかったよ。メチャクチャ可愛い子に声かけられて、ラッキーだって思ってた」
俺は、正直な気持ちを話した。それにしても、本当に可愛いと思う。キリッとした顔の美少女にしか見えない。でも、確かに言われてみると、肩幅があるし、喉仏もかすかに見える。
「私、可愛くないですか?」
ミクちゃんは、悲しそうに聞いてくる。俺は、慌てて言い直した。可愛い女の子だと思ったと。
「女の子じゃないですけど、私、可愛くないですか?」
ミクちゃんは、まっすぐに俺を見ながら聞く。俺は、正直ドキドキしていた。ミクちゃんが男なので、ガッカリした気持ちもある。もしかしたら、このまま良い目が見られるかもしれないという下心もあった。
俺は、可愛いと答えた。それに関しては、間違いなく可愛いからだ。
「フフ。嬉しいな」
ミクちゃんは、本当に嬉しそうだ。そんな仕草が、メチャクチャ可愛い。俺は、ミクちゃんは女の子なのと聞いた。我ながら、変な質問になってしまった。でも、言葉が上手く出てこない。最近はポリコレが厳しいので、下手なことを言えないと思ってしまった。
「そうです。女の子です。心は」
ミクちゃんは、イタズラっぽく笑う。俺は、女風呂に入らなくても平気なの? と聞いた。
「いつもは、部屋のお風呂か貸し切り風呂しか入らないです。揉めちゃうこともあるんで……」
少し寂しそうな彼女。俺は、どうして今日は? と聞いた。
「高橋さんが入ってるからですよ」
そう言って、俺に身体を寄せてきた。なんだこれは……俺は、頭も俺の肩にもたれ掛からせてきたミクちゃんに、フリーズしてしまった。良い匂いまでする! 俺は、正直勃起しかかっていた。
「気持ち悪いって思ってますか?」
ミクちゃんは、ストレートに聞いてくる。正直、俺はそっちの趣味はない。気持ち悪いとまでは言わないが、恋愛の対象にはならない。それでも、俺はそんなことはないと言った。
「フフ。良かった……」
そう言って、俺にさらにもたれ掛かってくる。不思議な気持ちだ。身体は男……興奮する要素はないはずなのに、俺は勃起してしまっている。
「明日は、どこに行くつもりですか?」
ミクちゃんは、甘えた声で聞いてくる。俺は、素直に明日の予定を話した。ビーナスラインを走って、鯉料理を食べて帰るつもりだと。
「一緒に行っても良いですか?」
ミクちゃんは、そんなことを言い始めた。俺は、別に良いよと告げた。嬉しそうにしてくれる彼女……。俺は、むき出しの好意を感じてドキドキしてしまう。
「高橋さんって、彼女はいるんですか?」
そんなことも聞いてきた。俺は、素直にいないと告げる。
「じゃあ、彼氏は?」
ミクちゃんは、おどけたように言う。俺は、笑った。すると、そんタイミングで股間を握られた。股間どころか、ペニスを握られた。
慌ててふりほどこうとするが、意外に力が強い。
「どうして大きくなってるの?」
ミクちゃんが、小首をかしげて聞いてくる。メチャクチャ可愛い……。そういえば、道の駅の時はメイクをしていたのだと思う。でも、今はほとんどメイクが取れている感じだ。それでもまだ女の子に見えるのは、なかなかの奇跡なような気がする。
俺は、言い訳が思いつかず、素直にミクちゃんが可愛いからだと言った。すると、ミクちゃんは手を離し、
「嬉しいです。高橋さんって、素敵な身体してますね。やっぱり、男は筋肉があった方が素敵です」
と言った。俺は、ありがとうと答えながらも、勃起していることがバレて猛烈に恥ずかしい気持ちになった。そして、なんとなく悔しくて、ミクちゃんのアレを握ってみた。自分でも、なんでそんなことをしたのだろう? と思いながらも、ガッシリ握ってしまった。男のものなんて、初めて触る。意外に大きくて、驚くほど固い。完全に勃起している。俺は、
「立ってるね」
と、そのままのことを言ってしまった。
「だって、高橋さんの身体エッチだもん」
そんな風に言いながら、潤んだような目で見つめてくる。そして、徐々に顔を近づけてきた。俺は、まったく目が離せない。吸い込まれそうだ。
【続きは出典元から】
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